ミクロモザイクのブローチ。
アンティークジュエリーを集めはじめてから
初めての四桁@ドル建てになる。

ずっと前からミニアチュールのような作品が欲しかったが
当然のことながら高い。
海外オークションでは返品可でも
関税等を払った後の手続は面倒だ。
でも日本の業者を通せば数倍の値段になるので
いつかは博打に出ることになるんだろうな、と思っていた。
ミクロモザイクのモチーフといえば
いわゆる「グランド・ツアー」が主流だが
「ちょっとイタリアに行ってきたんざますのオホホ」的に
露骨に遺跡がドンと描かれているのが成金ぽくて嫌だった。
かといって花や鳥や宗教臭プンプンの十字架も何だかな、で
人物画もフォルクローレ的で違和感があり
「だったらどないせいっちゅうねん」と自分つっこみしながら
どのくらい経ったか覚えていない。
あくまで出品者の説明によると
「グランド・ツアーみたいにありふれていない風景画」なのだが
実はしっかり遠景にそれっぽいものが描かれている。
(というか買い手ありきの商品であるはずなので
イタリアであることが判らなくては意味がない;爆)
あちこち自分で調べた範囲ではおそらく
シビラの宮殿かヴェスタの神殿ではないかと思う。
手前の景色がテキトーすぎてどうなんだろう?とは思ったが
たぶん↓もテキトーだからいいんじゃないか、と(笑)

実は一度、他の人が値切って落札したのだが
ほどなくして再出品された。
説明が詳しくなり写真も差替えられたので
つたない英語を駆使して事情を訊いてみたところ
アンティーク業者が自分の客用に仕入れたが
明らかなタイルの抜け一か所を理由に返品されたとか。
自然光では暗く映るので
改めてライトを当てて撮りなおしたそうだ。
(実際は当初の写真が一番実物に近かった)
前の落札価格より高い再スタートだった。
ピンの先にカバーがついているので
黒の土台を含めて枠は後付けの可能性がある。
この手の相場からいって安価でも誰も手を出さないのは
出品者がこのジャンルの専門家ではないからだろう。
(アンティーク担当の同僚にも確認したと言っていた)
それほど洗練されている図柄とは思えなかったが
山下清の貼り絵のような素朴な味わいは
たぶん実物を手に取るまで頭から離れないのだろうな
と観念した。
最初は即決価格のみだったが
間もなく値段が下がって価格交渉が可能になった。
返品のむずかしさや税金を理由に
ダメモトで前の人の落札価格を提示してみたら
「ディスカウントしたばかりだしそれだけの値打ちがある
(そりゃ商売なんだからそう言うわな)から」
と真ん中くらいの値段が再提示された。
私はあくまで最終消費者であって
飽きたり買い替える以外に転売する気はないので
言い値で手を打った。
調べものや出品者とのやり取りのプロセスを含めて
充分に楽しくて価値のある取引だったと思っているが
さて、実際はどうだろう。
焚火にあたる男の図。
土台にひびが入っていなかったら
どれほど高値になったか想像すると怖い。