追い打ち

某セミナーに参加するために
生まれて初めて個人の名刺をつくった。
翻訳がメインの収入ではないので「翻訳家」と名乗れず
職場支給の旧姓の名刺に本名を書き添えてごまかしてきたが
サンプルに「翻訳者」という肩書があってホッとした。

ずっと温めていた作品がさらわれたうえに
日本での出版に向けて寄稿されたあとがきの翻訳を
交流のある人が担当したことを知った。
彼女は本当に小さい仕事からおそらくボランティアの雑務まで
一切断ることなく引き受けてきたのだから
そのくらいの恩典はあっても当然だろうと思った。
でも引き受けた理由を「他に空いている人がいなかったから」
と明言されて少なからずショックを受けた。

夏に引き受けた仕事に対して
彼女から修正の要望を受けたことがある。
私なりに思うことがあってそのようにしたのだが
とりまとめの権限は彼女にあったのでそのまま承諾した。
おそらく「他に...」は謙遜しただけだろうが
自分は使えない奴にカウントされたのかもしれないと思うと
まだ癒えない傷が改めて痛む。

いちど負のスパイラルに入ってしまうと
色々なことが思い出される。

最初の作家の先生はメールをしても返事がこなくなった。
私が担当した作品は本国でも絶版になっているが
登場人物と設定を少し変えて別の作品として世に出た。
別の作品の版権が切れてドラマの原作に決まり
訳し直しが必要になったとき指名されることはなかった。

二度目の訳書は出版費用の一部を負担したが
出版と同時に払われるはずの印税が今でも入ってこない。
その出版社から同じ作家の別の作品が出たときも
何の連絡もなかった。

要らない人、という言葉が毎日頭をよぎる。
子どもがお金さえあれば生きていける状況なら
すぐにでも消えてしまいたい。
私が条件付きでしか受け入れられなかったとしても
子どもらを無条件で受け入れねばならない現状を
いつまで続ければいいのか。

とにかく行けるうちにと思い
来日したアーティストの公演には無理しても足を運ぶ。
そして会場で通訳や音楽ライターを見ては
「自分はあそこにいるべき人間だったのに
そうなるための努力をしてこなかった」と思う。

何かに賭ける、ということを
仕事でもプライベートでもしてこなかった。
いつもどこか上の空で予防線を張れば
中途半端な果実しか戻ってこない。
その事実を認めることはできるが
この先どこに向かっていけばいいのか分からない。

趣味で文書の翻訳をしたり動画に字幕をつける。
ネットで公開すると何人閲覧して評価するか気になって仕方がない。
検索で簡単にヒットするはずなのにさして数値が伸びないと
ますます意地になってのめりこむ。
タダでも要らない奴のスパイラルは下方に向かっていく。
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# by camel-40 | 2017-11-20 12:30 | 仕事

認める

私の誕生日は共通の仲間の一人と同じだけど何年も黙ってきた。
忘れられるくらいなら最初から知られたくないから。

2年経って自分の状況をふり返ってみる。
長女は相変わらず導火線が短いながらも
少しずつ何かを掴みつつあるようなないような
新年度の目途は何一つ立っていない。
次女の症状は落ち着きつつあるが
自立の目途はまだまだ見えてこない。

そして私は本業にも副業にも趣味にも身が入らない。
ダダ洩れだったコストを思い切ってカットしたものの
売上が上がらないことは相変わらず。
何年も温めていた作品を他の人に一気にさらわれ
さらわれても当然な理由まで分かっているから落ち込みが酷い。
過去曲を焼き直して曲数を減らしてもらって
それでも本番は何か所か記憶がとんでしまう。
何もかもが中途半端だ。

大好きだったアーティストの新譜を聴きもしないのは
着実に前に進んでいる彼らに対して自分が恥ずかしいからだ。
一度だけとれたコンサートも楽しめるかどうか。

子どもが次々と巣立って夫婦水入らずに戻る友人を横目に
最後まで頑張れなかった自分の不甲斐なさを反芻する。
私は所詮この程度と認めてしまえば楽になれるのに。
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# by camel-40 | 2017-11-14 10:37 | 家族/日常

もう家には帰らない

「日本一醜い親への手紙」の続編。
こちらは”普通の親”と書かれていたので
自分に似た親がいないか知りたかったのだが
手足と言葉の暴力がでてきた時点で
その手紙を読むのは止めた。

あとがきに見慣れた名前があって驚いた。
この本はそちらのためにあったのかもしれない。
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# by camel-40 | 2017-11-09 22:44 | 読書

よろこびのうた

広告で何度もひっかかるので
気になってつい注文してしまった。
最初と真ん中とラストが先に見えてしまったら
あいだのストーリーが全部読めてしまったせいか
あまり感情移入できなかったが
たとえファンタジーでも
こういう物語があってもいいと思う。
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# by camel-40 | 2017-11-01 18:39 | 読書

金と銀3(奔流編)

惣次の妻となって店を盛り立てていくも
主人公の打算というか夫との心の距離が引っかかる。
夫が荒れていくのは妻の商才への嫉妬だけではなく
妻の心が自分にないことに気付いているからかもしれない。
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# by camel-40 | 2017-11-01 18:37 | 読書

毎日かあさん 卒母編

ずいぶんネタの使い回しが増えたなとは思うが
子どもたちが二人とも正しく遠回りして巣立ちを迎えて羨ましい。
まあうちもそこそこいけてるとは思うけど。
お兄さんの「(お母さんは)もうすぐ死ぬから言わせとけ」に
爆笑しつつも自分も救われた気がした。
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# by camel-40 | 2017-10-13 09:37 | 読書

田宮千穂ジュウリーデザイン作品集

47歳で早世した天才デザイナーの集大成といえる作品集。
アールデコを基調に大胆かつ端正な作品が並ぶ。
一番の特徴は良い石を使っていることだと思う。

石とデザインは競合するものではなく
お互いに高めあうべきなのに
依頼主の予算の都合なのか
正直石選びが適当なデザイナーは多い。
作家の作品はルースだけでも素晴らしくて
しかもしっくりとデザインになじんでいる。

夫君のあとがきから
自身の作品の制作のみならず
協会の仕事やショップの経営に加えて
家庭生活との両立に苦心したことがうかがえる。
活動期間に比べて多作と言えなくもないが
老いてどのような変化を遂げるのか見たかった。
残念ではあるが
一方で激しく羨ましいとも思う。
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# by camel-40 | 2017-10-13 09:33 | 読書

夢の散策者

ようやく駒井哲郎の作品をまとめて見る機会を得た。
会場は少し遠いけれど半分は旅行みたいなもの。
小さい作品が多くて
近づくと自分の頭がライトを遮り
かなりみっともない鑑賞になったが
休日の割に人が少なくてゆっくり堪能した。

フランス留学でスランプ云々と
かなり暗いイメージがあったが
経済的には幼少から相当恵まれていたようで
晩年(といっても五十代だが)は日本で相当の地位も得た。
どこを切り取るかによって
随分とらえ方が違ういい例になった。
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# by camel-40 | 2017-10-07 16:07 | 展示/イベント

In the Garden

絶版で古本も高価なところ
偶然にオークションで手頃な値段で手に入れた。
アールヌーヴォーとエマイユの解説が丁寧である。
日本での七宝のありかたや各手法の難しさなど
あまり気づかないことが書かれていて興味深かった。

著者の作品を購入する機会があるにはあるが
私はこの苦労を後世に伝えられる持ち主ではないと思うと
二の足を踏んでしまう。
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# by camel-40 | 2017-10-07 03:11 | 読書

マチネの終わりに

まずは新聞の連載小説であることを念頭に置く。
現実の社会問題と絡めるところが
日頃から意識高い系の発言をする作家らしいが
登場人物がどれも作者の分身のようだ。
曲名も書名も山のように溢れているのに
メロディーも詩も聴こえてこないのは
受け手としての私の力量不足なのか。
女はジャーナリストだからいいとしても
男は音楽家としては俗っぽい気がした。
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# by camel-40 | 2017-10-06 23:21 | 読書

働かないの

「れんげ荘物語」の続編。
三年後の主人公が描かれる。
老いに逆らわないことや
途中で投げ出しても構わないことを学ぶ。
一番気になった母親との関係は
何一つ改善されないままなのも
リアルでいいかもしれない
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# by camel-40 | 2017-09-24 13:47 | 読書

嫉妬

次女が彼氏と泊りがけの旅行に行った。
進学もせずバイトも体調によってはドタキャンOKで
生活費を負担することもなく誰からも甘やかされて
いくら病気でも「やりたい放題」という気持ちがぬぐえない。
私にパートナーがいればここまで醜い気持ちを抱かずに済んだかもしれない。

子どもらのどちらかが家にいると眠気が酷くなる。
久々に戻ってきた長女が夕飯の買い物に連れて行かなかった
(そもそも何のために慌てて着替えているのかも不明だった)とキレた。
「家族として過ごせる時間が残り少ないのに」とはこっちのセリフだ。
国家試験の模試はボーダーラインに満たず
就活の準備をしているようでもなく
バイト先にいる奴が気に入らないからと今更”転職”しようとしている。
下手に口を出せば結果によっては私に責任を押し付けられるので
思うところがあっても絶対に何も言わない。

夢の中での家族とは母と次女という設定らしい。
つい先日あるグループを脱退したHが家を訪ねてきた。
雨に濡れてびしょびしょのままだ。
もっと田舎かと思ったら都会でがっかりしたと言われた。
母も次女も帰宅しない予定だったのに突然戻ってくる。
次女は無言だが母は男を引きずり込んだと激怒する。
私はもう母の口出しで誰かを失いたくないと必死にHにしがみつく。
Hは無表情なままじっとしている。
やましいことがないと母の罵詈にも動じない。

畳の上で寝落ちして半日くらい夢の続きを見ていた。
途中で布団を敷いたが腰が痛い。
こんなことをしている場合ではないのに。
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# by camel-40 | 2017-09-20 11:48 |

れんげ荘

定年まで今の職場にいられそうもないと分かって
次はどうするかについて考えることが増えた。

仕事をせず貯金を取り崩しながら暮らす、
ということしかわからずに読み始めたら
母親との確執がリアルで驚いた。
女の生き方が大きく変化する時代は長く
そこに巻き込まれずに済む方が難しいのかもしれない。
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# by camel-40 | 2017-09-19 01:10 | 読書

断捨離

敬老の日には一歩も外に出なかった。
そして母にもらったTシャツを2枚捨てた。
デザインも形も嫌いではないけれど
それを着ると母に支配される気持ちになるから。
こないだ行ったときにプレゼントとは言わずに
ベッドカバーをセットしてきただけで限界。

長女の金遣いは相変わらず荒く
八つ当たりに耐えるだけの「優しい」彼氏の家に入り浸りで
次女は今日から彼氏と泊りがけの旅行に行く。
どうせ止めても隠れてやるに決まっているのだから
非常時の位置確認だけにとどめることにした。
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# by camel-40 | 2017-09-19 00:54 | 家族/日常

眠れない夜は体を脱いで

今回の連作の軸は「手の写真を投稿するスレッド」だ。
前から順番に読んでいくと最後に全体が分かる仕掛けになっている。
人から羨まれる顔が嫌いな男子高校生、
女であることにうっすらと違和感を抱く独身の中年女性、
彼の「元カノ」に心がざらつく大学生と
「元カノ」が生前心を寄せていた女子学生、
押さえつけ続けた夢を実現させる支店長と女子行員、
なりたい自分を託したアバターの主の交流...
平和だけれどどうでもはよくないことが
灰汁のように丹念に掬い取られていて
大きな賞をとってほしいような
これが変わってしまうなら今のままでいてほしいような
複雑な気持ちになった。
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# by camel-40 | 2017-09-17 22:39 | 読書

愛着障害ー子ども時代を引きずる人々

この著者は自責で心が弱っている母親を刺激するタイトルをつけるのが上手い。
「母という病」は一度読んだのを忘れて二度借りてしまったし
この本もとりあえず借りてくることにした。

とりあえず愛着障害の定義と克服方法だけを読むことにした。
案の定ありきたりの処方しか載っていない。
この人は苦しむ母子をカルテに分類するだけで
治す気はないのだと感じた。
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# by camel-40 | 2017-09-17 22:31 | 読書

それでも母が大好きです

迷って今年の敬老の日は娘らを母のところに行かせないことにした。
黙っていても行くなら構わないが
何か良い知らせがあるとき以外は会えないという長女と
母に会った直後に次女が泣いたという話に
私が守るべき優先順位をはっきりと知る。

いわゆる毒母を扱った漫画エッセイ。
娘が無力であるよう暗示をかけて
自分を頼らざるを得ないように仕向ける母像は
ここまで極端でないにしろ心当たりはあった。
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# by camel-40 | 2017-09-17 22:25 | 買物

たいしたことはない

一週間ほどおりものの量と色が変で
脇腹に痛みもあったので婦人科を受診した。
今日はガン検診は無理だろうなと思ったら
洗浄と直接薬を入れる他に
血液検査で炎症の状態をチェックして
飲み薬まで処方された。
不安な脇腹は腸と癒着した部分が
便秘や炎症で痛むのだという説明に
とりあえずホッとした。
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# by camel-40 | 2017-09-08 22:39 | 健康

海の見える理髪店

直木賞受賞作になると
一瞬にして予約件数が一桁増える。
猫も杓子も手に取ろうとするから
意地でもお金を出したくないと
待って一年近く経った。
もちろん才能と運に恵まれた人への僻みだ。

重松清の家族ものを髣髴とさせる。
母と葛藤する娘が切ない一方で
子を失っても連れ合いが残ればよいではないか
とふてくされてみたり。
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# by camel-40 | 2017-09-02 17:14 | 読書

人生楽しく

ひと月前の展示会で予約したネックレスを引き取りに行った。
オフにもオンにも使えると分かっていても
似たようなモチーフは少なくて決して割高ではないと分かっていても
自分史上(笑)最高額なのでだいぶ迷った。
決済をした日はたぶん何か世間で大きな事件があって
先のことは分からないのに
我慢するほどの金額でもないと思いきったのだと思う。

その話をしたら売主に
「そんなこといちいち考えていたら人生楽しくないでしょう」
と笑われた。
彼の人生がどうかは横においておいて
まあそれもそうだなと思うことにした。
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# by camel-40 | 2017-08-31 15:44 | 買物

精霊の力も借りたい

心が弱っているときはルースか翡翠頼みがお決まりだったが
今年はなぜかインディアンジュエリーに惹かれる。

シダか羽+花モチーフが気に入ったリング。
作者の刻印入りだが名前は不明。かなり重い。
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スタンプワークの作家もの。
一見子どもの落書き風だが癒される。
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# by camel-40 | 2017-08-08 11:54 | 買物

優しい言葉

「パンとスープとネコ日和」の第三弾。
相変わらず日常はゆっくりと進んでいく。

どすこい兄弟とのやりとりがかなり多く
近くに似たような品ぞろえのフランチャイズ店が出来るが
特に客が減ることもない。
母と自分の知人(友人ではない)が亡くなり
異母兄の守る寺に行くも兄嫁との何気ない会話で終わる。
一番の事件と言えばしまちゃんがシオちゃんと結婚するくらいだが
それすらも大した波もなくさらりと過ぎる。
個人的に共感したのは「無理のきかない歳になった」ことだろうか。
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# by camel-40 | 2017-08-07 13:02 | 読書

女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと

あちこちに何度も書いてきたことを
思春期の娘に宛てて書き直したもの、という感じ。
女が手に職をつけると可愛げがなくなると言われたが
結婚が一生を保障してくれる時代はとっくに過ぎてしまった。

私は鴨ちゃんとの経緯を初めてまとめて読んだ。
病気はアル中だが被害としてはモラハラに近い。
生涯を共にしようと思った人を死ねばいいと思うようになったら
一日でも早く別れるのが相手のためなのだと改めて思う。
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# by camel-40 | 2017-08-06 19:52 | 読書

文学会議

二編とも最初は地味に観念的に始まるが
最後は容赦ないバイオレンス。
淡々とした他人事風の描写はゾッとする。
実際には主人公のごちゃごちゃした感情が
くどいくらい書かれるのだけど
「それ絶対あんたのことじゃないよね」
というのが分かってしまう。
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# by camel-40 | 2017-07-31 22:04 | 読書

パールのネックレス展

創始者の業績以外のあれこれを聞いてしまい
何かのついでで充分かなと足をのばしてみた。

本店に行ったのは初めてで
前に立っただけで本当に開くのかと思うほど
背の高いドアに怖気づく。
会場に向かうエレベーター脇にある各フロアの案内板に
二種類の中国語で説明があり
老舗といえども爆買いを無視できる状況ではないことを実感する。

宣伝が派手な割に展示物は少なかったが
パールで洋服のカラーを編み上げたり
何連も身体に巻き付けたり
アイディアは斬新だった。
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# by camel-40 | 2017-07-29 16:30 | 展示/イベント

クラウドガール

娘たちは最近それぞれデートに忙しい。
私やお互いとの葛藤が激しかった分
ちょっとしたクッションになっているが
依存を深めていく可能性を思うと不安になる。
どのような方向に向かっても学ぶことはあると考えて
私は私の問題に取り組まねばならない。

有名作家だった母をもつ姉妹の話で
かなり性格が違い
故人となった両親への思いにも温度差がある。
妹の浮気性の彼氏の母が有名女優というのも
何だか出来過ぎな感じではあったが
お金だけは不自由しない有名人はそんなものか。

それぞれ苦しみながら
両親との距離をかためて自立してゆく姿は
うちの娘たちや私にも重なるところはあるかもしれない。
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# by camel-40 | 2017-07-27 11:42 | 読書

こんな僕でも指揮者になれた

まだ社会人になりたての頃
単発の演目でホリヤン先生の指導を受けたことがある。
未経験者OKということ以外に何もわからなかったが
とにかく先生の話が面白くて
何を指導されたか全く覚えていないが
毎回練習が楽しみだったことを思い出す。

紆余曲折あって遅咲きかつ無冠だが
音楽にかける情熱と愛情は誰にも負けない。
一流は一流と認めたうえで
音楽に貴賤なく真剣に楽しく取り組む。

一万円札のレイは
先生の指揮者デビューの公演でのエピソードで
↑の練習中に先生が冗談で言ったことから実現した。
でも本を読むまで後で回収されたとは知らなかった。
久しぶりにホリヤン先生のお姿をみて
元気をもらいたいと思う。
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# by camel-40 | 2017-07-23 08:51 | 読書

お金を整える

全体的にうっすいなあという印象だが
とりあえず財布に入れる紙幣の順番を逆にして
虎の子(?)の一万円札をカード入れに入れてみた。
他のことは細かすぎて実行できそうもないので
「レコーディングダイエット」同様に
家計簿をまめにつけることにする。

カードの引き落としが間に合わないことで信用に傷がつき
将来大きな借り入れができないということは
長女はこの先カードローンで破産することは免れそうで
かえってホッとした。
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# by camel-40 | 2017-07-22 09:49 | 買物

さじ加減

ジェンセンのネックレス。
ぶどうシリーズのスピンアウトみたいな感じ。
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別の業者に別のブランドのシルバーのリングを下取りに出したことがあるが
それが販売サイトに上がってきたときに驚いたのは
彫刻のあいだにあった黒い部分がすっかり無くなっていたことだ。
最初からつけてある黒ずみと
使っているうちにつく黒ずみの違いは分からないが
元の状態に戻るまで相当時間がかかるだろう。
のっぺりしたそれは安っぽかったが
黒ずみを「汚れ」「使用感」と理解する客がいる限り
どの業者の対応も似たようなものになるのかもしれない。
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# by camel-40 | 2017-07-12 09:46 | 買物

あの日

ずいぶん前に予約した本が
今になって回ってくる意味を考えてしまった。
官邸に陥れられた元官僚が目の前をちらつく。

超文系の私にとって実験のプロセスに関する説明は
途中で投げ出したくなるくらい意味が理解できなかったが
著者が未だ結論の出ない実験の成果について
同僚に先を越されて焦った指導教官に発表を急がされた結果
些細な瑕疵を理由に方々から批判され
職も学位も失ってゆくプロセスにゾッとした。
著者は決して心の持ち方が正しくなかったのではなく
「こんなどろどろした業界」で生きていくには
あまりにもウブだったのだと思う。

名誉と利益のためなら
自分の良心も同僚(ライバル)の命も踏みつけにする。
研究者とは何においても真実の探求を第一とするものと信じていたが
私も彼女と同じくらい世間知らずなのだろう。
長いこと研究が進められながら実用化されていないもののなかには
それが実現すると多大な損害を被る人がいる案件が山のようにあるに違いない。

ふと業績を妬まれて壮絶ないじめにあって転職した友人を思い出した。
彼が無事にこの世にあることに感謝する。
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# by camel-40 | 2017-07-06 20:12 | 読書