棒がいっぽん

『美しき町』に出てくる若夫婦がお社から見下ろす風景に覚えがある。
社会の授業で地図を描く宿題が出たとき一人で登った土手だ。
そこは当時の国鉄の駅を始発とする鉄道をつくっている最中だったが
いつ行っても工事をしている気配がなく
そこらへんに転がった線路のパーツは錆びていた。
きっともう作るのを諦めてしまったのだと大人たちは噂していた。

私はその頃から人と群れることが苦手だったのだと思う。
かといって一人でいるのが好きなわけでもなかったが
その土手に登っているときだけは
その風景を独り占めできてよかったと思っていた。
残念ながら遠近法がメチャクチャな宿題の評価は最悪で
それっきり一人でそこに行くことはなくなった。
鉄道が通ったのは父の転勤で家族揃ってその地を離れ
後に退職間近の父が単身赴任する頃だった。

『私の知ってるあの子のこと』のピアーニは私だ...途中までだけど。
もっと子どものうちにいい子を止めればよかったと今でも思う。


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# by camel-40 | 2018-01-16 00:40 | 読書

転んでから泣く

久々に出版社向けの企画書を書いた。
半年前に説明会用に作ったレジュメに関心が持たれて
改めて詳細なものを依頼された。
年末年始の休みはほぼ潰れたが
読むことも書くことも前より楽しかったので
あまり苦にはならなかった。
そして、これを自分で訳したいという気が
ますます強くなってきた。

実は、仲介に入ったエージェントから連絡がある少し前に
出版助成金の申請に必要な翻訳を進めていた。
原則はレジュメを作った人が翻訳まで引き受けることになっているが
出版社側から別の人を指定される可能性が高い。
たいていは助成金なしで出版することは難しい現状なので
誰かに取られる前に確保してしまいたかったのだ。

でも、四半期ごとに募集期間が決まっている個人とは別に
随時法人が企画を出してもらえる助成金もある。
前者は定期的に書名と翻訳者が公示されるが
後者は非公開で行われるので
そちらが優先されると申請した意味がなくなってしまう。

企画書の依頼が来たとき正直に言ってしまおうかと思った。
もしこの企画が採択されたら翻訳者に指名してほしい、と。
でも、そのエージェンシーは出版事業も並行していて
なるべく著名な人に依頼したいと考えていることを知っているので
助成の選考結果を黙って待つことにした。
エージェンシーと助成機関は密接な交流があるが
審査自体は匿名で行われるのだから
どのみち口をきいてもらうことはできない。

出版業界自体が不況だから
海外文学は点数が徹底して絞られる。
けっきょく誰でも知っているような著作しか対象にならず
結果的に新人には回ってこない。
古参を押しのけるほど秀でた才能があれば別だが。

ちょっと手を伸ばせば手に入るもの以上は
欲しがらないように自制して生きてきた。
どうせ手に入らないのに欲しがれば傷つくだけだ。
そして何でもそこそこで満足するよう暗示をかける。

でもどうせ自分の気持ちは騙しきれないのだ。
傷つくならちゃんと転んで思いきり泣こう。
それから次に行こうと決めた。

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# by camel-40 | 2018-01-10 23:36 | 仕事

居酒屋ぼったくり7

ドラマもそうだが
シリーズものは始めてしまうと止まらない。
そろそろもういいかなと思いつつ
「うーん、そうきたか」と読んでしまう。

今回は日本語の言い回しが妙なところと
要の女遍歴にちょっとムカついたが
介護の件は身につまされた。


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# by camel-40 | 2018-01-10 04:48 | 読書
いま娘たちには彼氏がいる。
彼らとどんなやり取りがあったか、ということも
割とよく話してくれる。
私は結婚前の交際自体が許されなかったので
友達に根回しをして泊まりに行ったりしていたから
よっぽどのこと以外は目をつぶっているが
正直あまり詳しいことは知りたくない。

最近になって気が付いたのは
二人ともよく彼氏に腹を立てていることだ。
どちらも言葉で意思を伝えるのが苦手なので
いわゆる”不機嫌オーラ”を出す。
私が彼氏だったらとっくに逃げ出したくなる八つ当たりを
幸か不幸かどちらの彼氏も
丸ごと受け入れてくれているらしい。

実家でよく言われたのは
「言いたいことがあればはっきり言いなさい。
黙って不機嫌な顔をしているんじゃない」だった。
必ずしも親に不満があるわけではなかったが
何でも親に話せたわけではない
(話したところで理解してもらえない)し
仮に不満があったところで一度拒絶されたものが
なし崩しでOKになることはなかったので
どうすればいいのか分からなかった。
1人部屋が与えられたのは社会人になる直前だったから
家のなかに自分の気持ちに正直でいられる場所はなかった。

いま自分が親になってみて思うのは
気持ちに余裕がないときに
理由の分からない不機嫌はキツい、ということだ。
いったい自分の何が悪かったのだろうかと
あれこれ考える時間も気力もないと
「いい加減にしろ」と一喝したくなる。

私には病弱ながら父がいたから
母にも私にも逃げ道があったが
片親の子どもらには逃げ場がない。
当座の食い扶持には困らなくても
私に仕事を辞めて専業主婦になるという選択肢がないという事実は
ずいぶんと子どもらを追いつめているのかもしれない。

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# by camel-40 | 2018-01-10 04:35 | 家族/日常
日本人は簡単に謝る。
なぜなら謝ればタダで許してもらえる確率が高いからだ。
どんな事情があっても許さない奴は「偏狭」と呼ばれたりする。

私は最大の謝罪は謝罪しないことだと思っている。
存分に子どもに憎ませることが一番の罪滅ぼしなのだ。
連綿と続いた「負の連鎖」があったとしても
わが子の心身に手をあげていい理由にはならない。
復讐されて命をとられる覚悟をすべきなのだ。

当然のことながら
虐待した側からの投書は圧倒的に少ない。
短い投書はフォントを拡大して行間を増やし
なんとか本の体裁を整えた感じだ。
三分の一を読んであとがきと解説に飛んだ。
たぶんそれで十分だと思う。



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# by camel-40 | 2018-01-07 19:17 | 読書

閉経期

「えっ、あのカノコがお母さん?」という単純な興味と
とっくに閉経しているのに更年期っぽい症状が無くならないので
どんなふうに乗り切ったか知りたかった。
アメリカで弁護士かよ...まあ、学者と詩人の子だもんな。
とにかくズンバの出番が多くて
結局それがどういうものか文章から想像しきれず終わってしまった。

一人っ子が両親を亡くす、というのは
たとえ音信不通でもきょうだいがいるのとは違うのだろう。
摂食障害には母親との不和か過干渉が根っこにあるが
著者の場合も例外ではなかったようだ。
カノコのときの「私は好きにさせたのに」云々は
「いやいや子ども巻き込んで(以下省略)」と思ったが
そのフリーダムさは最終的にカノコを救ったのだろうから
私も引き続き好きにさせてもらおうと思った。

親友E元は子ども向けの番組でよく見たが
演劇畑出身ということもあってか
「いや、こんなにニコニコしてるだけの人じゃないだろ」
と思っていた。
そのうち対談集も読んでみよう。

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# by camel-40 | 2017-12-29 22:20 | 読書

金と銀(貫流篇)

そこに落ち着くだろうなという三度目の結婚。
同じ夫に仕えた元妻同士の友情もあり
人形浄瑠璃を絡めての奇抜な売り出し方があり
何かと力になってくれた店を買い取るシーンで次巻に続く。
ひょっとして今は人形の夫は
いつか優れた書き手になるのだろうか。
ものがたりならではの予定調和も和む。

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# by camel-40 | 2017-12-22 16:18 | 読書
各人の思い込みがすれ違って起こる悲劇の書き方は
あいかわらずうまいと思う。
ただ一番の肝になる最後の二作は
話の時系列上それ以外の配列が無理だったのだろうが
最終話の立ち位置をわかりにくくしている気がする。
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# by camel-40 | 2017-12-10 00:58 | 読書

伊藤ふきげん製作所

著者を知った頃は詩人として脚光を浴びていて
まだ長女が抱っこされていたと思う。
刺激的でモラルのかけらもない最近とは違い
かなりセンセーショナルな存在だった。
画もかなり上手い。
私はまだ独身だったが
留学中の前夫にせっせと送った絵手紙を見て
いつかこの情熱は同じ激しさで真逆に向かうだろう思った。

本書を手に取ったのは
親子二代の摂食障害について知りたかったからだ。
今でこそ原因や対処法がある程度まとまっているが
当時すでに最近と同じ域に達していたことに驚く。

著者の人生を身勝手、というのは簡単だ。
実際かつての私もそう思っていた。
でも我が子を「不細工でうっとおしい」と公言できるのは
我が子に対する絶対的な愛情と信頼があるからであり
それらを得るには
自らに対する強烈な自己肯定感が必要なのだと今ならわかる。
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# by camel-40 | 2017-12-08 18:24 | 買物

家族のあしあと

作家の息子を中心にした人気シリーズを読んでいない。
好奇心ひとつを頼りに豪放磊落に生きてきたようでいて
実は元々社会的にも認められるほどポテンシャルが高いあたりが
何となく馬鹿にされたような気になるからかもしれない。

本書はシリーズとは逆方向の先代へ向かっての話だ。
個人的になじみのある地名や仕事が懐かしくもあったし
「僕は何も考えていませーん」的なところは相変わらずだが
とうとうと家族を語るからには
その絆とか不変さを疑ってはいないのだろう
という予想とは真逆の生い立ちだったのは意外だった。

我が家も全員がテーブルに揃うことはめったにないし
揃ったとしても話が続かない。
お互いに触ってはいけないことが増えすぎたからだ。
これからはそのことを
おかしいとか悲しいとか思わずに済むかもしれない。
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# by camel-40 | 2017-12-04 13:29 | 読書

深夜食堂19

登場人物が増えすぎて
常連の顔くらいしか分からなくなっている。
載っている料理を真似することはほとんどないが
読者から募ったという納豆入りの卵焼きをつくってみた。
世話の必要な親や子ごと引き受けようという
奇特な恋人が何人が登場するが
どちらの立場でも私には真似できそうもない。
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# by camel-40 | 2017-12-02 09:56 | 読書

夕焼けの詩65

当初の予定から7ヶ月遅れての発売となった。
著者も高齢で連載も休み休みなのかと想像する。
他の読者もそこらへんは理解していて
気長に待っていたのではないか。

久々に鈴木一家や茶川一家が登場して
本来の設定に戻ったような気がする。
画家になる夢を諦めて地元に戻って教師になり
ひそかに描き溜めた作品が世に出ることなく世を去った友に
ふたたび絵筆をとるエピソードが心に響く。
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# by camel-40 | 2017-12-01 23:03 | 読書

追い打ち

某セミナーに参加するために
生まれて初めて個人の名刺をつくった。
翻訳がメインの収入ではないので「翻訳家」と名乗れず
職場支給の旧姓の名刺に本名を書き添えてごまかしてきたが
サンプルに「翻訳者」という肩書があってホッとした。

ずっと温めていた作品がさらわれたうえに
日本での出版に向けて寄稿されたあとがきの翻訳を
交流のある人が担当したことを知った。
彼女は本当に小さい仕事からおそらくボランティアの雑務まで
一切断ることなく引き受けてきたのだから
そのくらいの恩典はあっても当然だろうと思った。
でも引き受けた理由を「他に空いている人がいなかったから」
と明言されて少なからずショックを受けた。

夏に引き受けた仕事に対して
彼女から修正の要望を受けたことがある。
私なりに思うことがあってそのようにしたのだが
とりまとめの権限は彼女にあったのでそのまま承諾した。
おそらく「他に...」は謙遜しただけだろうが
自分は使えない奴にカウントされたのかもしれないと思うと
まだ癒えない傷が改めて痛む。

いちど負のスパイラルに入ってしまうと
色々なことが思い出される。

最初の作家の先生はメールをしても返事がこなくなった。
私が担当した作品は本国でも絶版になっているが
登場人物と設定を少し変えて別の作品として世に出た。
別の作品の版権が切れてドラマの原作に決まり
訳し直しが必要になったとき指名されることはなかった。

二度目の訳書は出版費用の一部を負担したが
出版と同時に払われるはずの印税が今でも入ってこない。
その出版社から同じ作家の別の作品が出たときも
何の連絡もなかった。

要らない人、という言葉が毎日頭をよぎる。
子どもがお金さえあれば生きていける状況なら
すぐにでも消えてしまいたい。
私が条件付きでしか受け入れられなかったとしても
子どもらを無条件で受け入れねばならない現状を
いつまで続ければいいのか。

とにかく行けるうちにと思い
来日したアーティストの公演には無理しても足を運ぶ。
そして会場で通訳や音楽ライターを見ては
「自分はあそこにいるべき人間だったのに
そうなるための努力をしてこなかった」と思う。

何かに賭ける、ということを
仕事でもプライベートでもしてこなかった。
いつもどこか上の空で予防線を張れば
中途半端な果実しか戻ってこない。
その事実を認めることはできるが
この先どこに向かっていけばいいのか分からない。

趣味で文書の翻訳をしたり動画に字幕をつける。
ネットで公開すると何人閲覧して評価するか気になって仕方がない。
検索で簡単にヒットするはずなのにさして数値が伸びないと
ますます意地になってのめりこむ。
タダでも要らない奴のスパイラルは下方に向かっていく。
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# by camel-40 | 2017-11-20 12:30 | 仕事

認める

私の誕生日は共通の仲間の一人と同じだけど何年も黙ってきた。
忘れられるくらいなら最初から知られたくないから。

2年経って自分の状況をふり返ってみる。
長女は相変わらず導火線が短いながらも
少しずつ何かを掴みつつあるようなないような
新年度の目途は何一つ立っていない。
次女の症状は落ち着きつつあるが
自立の目途はまだまだ見えてこない。

そして私は本業にも副業にも趣味にも身が入らない。
ダダ洩れだったコストを思い切ってカットしたものの
売上が上がらないことは相変わらず。
何年も温めていた作品を他の人に一気にさらわれ
さらわれても当然な理由まで分かっているから落ち込みが酷い。
過去曲を焼き直して曲数を減らしてもらって
それでも本番は何か所か記憶がとんでしまう。
何もかもが中途半端だ。

大好きだったアーティストの新譜を聴きもしないのは
着実に前に進んでいる彼らに対して自分が恥ずかしいからだ。
一度だけとれたコンサートも楽しめるかどうか。

子どもが次々と巣立って夫婦水入らずに戻る友人を横目に
最後まで頑張れなかった自分の不甲斐なさを反芻する。
私は所詮この程度と認めてしまえば楽になれるのに。
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# by camel-40 | 2017-11-14 10:37 | 家族/日常

もう家には帰らない

「日本一醜い親への手紙」の続編。
こちらは”普通の親”と書かれていたので
自分に似た親がいないか知りたかったのだが
手足と言葉の暴力がでてきた時点で
その手紙を読むのは止めた。

あとがきに見慣れた名前があって驚いた。
この本はそちらのためにあったのかもしれない。
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# by camel-40 | 2017-11-09 22:44 | 読書

よろこびのうた

広告で何度もひっかかるので
気になってつい注文してしまった。
最初と真ん中とラストが先に見えてしまったら
あいだのストーリーが全部読めてしまったせいか
あまり感情移入できなかったが
たとえファンタジーでも
こういう物語があってもいいと思う。
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# by camel-40 | 2017-11-01 18:39 | 読書

金と銀3(奔流編)

惣次の妻となって店を盛り立てていくも
主人公の打算というか夫との心の距離が引っかかる。
夫が荒れていくのは妻の商才への嫉妬だけではなく
妻の心が自分にないことに気付いているからかもしれない。
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# by camel-40 | 2017-11-01 18:37 | 読書

毎日かあさん 卒母編

ずいぶんネタの使い回しが増えたなとは思うが
子どもたちが二人とも正しく遠回りして巣立ちを迎えて羨ましい。
まあうちもそこそこいけてるとは思うけど。
お兄さんの「(お母さんは)もうすぐ死ぬから言わせとけ」に
爆笑しつつも自分も救われた気がした。
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# by camel-40 | 2017-10-13 09:37 | 読書
47歳で早世した天才デザイナーの集大成といえる作品集。
アールデコを基調に大胆かつ端正な作品が並ぶ。
一番の特徴は良い石を使っていることだと思う。

石とデザインは競合するものではなく
お互いに高めあうべきなのに
依頼主の予算の都合なのか
正直石選びが適当なデザイナーは多い。
作家の作品はルースだけでも素晴らしくて
しかもしっくりとデザインになじんでいる。

夫君のあとがきから
自身の作品の制作のみならず
協会の仕事やショップの経営に加えて
家庭生活との両立に苦心したことがうかがえる。
活動期間に比べて多作と言えなくもないが
老いてどのような変化を遂げるのか見たかった。
残念ではあるが
一方で激しく羨ましいとも思う。
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# by camel-40 | 2017-10-13 09:33 | 読書

夢の散策者

ようやく駒井哲郎の作品をまとめて見る機会を得た。
会場は少し遠いけれど半分は旅行みたいなもの。
小さい作品が多くて
近づくと自分の頭がライトを遮り
かなりみっともない鑑賞になったが
休日の割に人が少なくてゆっくり堪能した。

フランス留学でスランプ云々と
かなり暗いイメージがあったが
経済的には幼少から相当恵まれていたようで
晩年(といっても五十代だが)は日本で相当の地位も得た。
どこを切り取るかによって
随分とらえ方が違ういい例になった。
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# by camel-40 | 2017-10-07 16:07 | 展示/イベント

In the Garden

絶版で古本も高価なところ
偶然にオークションで手頃な値段で手に入れた。
アールヌーヴォーとエマイユの解説が丁寧である。
日本での七宝のありかたや各手法の難しさなど
あまり気づかないことが書かれていて興味深かった。

著者の作品を購入する機会があるにはあるが
私はこの苦労を後世に伝えられる持ち主ではないと思うと
二の足を踏んでしまう。
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# by camel-40 | 2017-10-07 03:11 | 読書

マチネの終わりに

まずは新聞の連載小説であることを念頭に置く。
現実の社会問題と絡めるところが
日頃から意識高い系の発言をする作家らしいが
登場人物がどれも作者の分身のようだ。
曲名も書名も山のように溢れているのに
メロディーも詩も聴こえてこないのは
受け手としての私の力量不足なのか。
女はジャーナリストだからいいとしても
男は音楽家としては俗っぽい気がした。
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# by camel-40 | 2017-10-06 23:21 | 読書

働かないの

「れんげ荘物語」の続編。
三年後の主人公が描かれる。
老いに逆らわないことや
途中で投げ出しても構わないことを学ぶ。
一番気になった母親との関係は
何一つ改善されないままなのも
リアルでいいかもしれない
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# by camel-40 | 2017-09-24 13:47 | 読書

嫉妬

次女が彼氏と泊りがけの旅行に行った。
進学もせずバイトも体調によってはドタキャンOKで
生活費を負担することもなく誰からも甘やかされて
いくら病気でも「やりたい放題」という気持ちがぬぐえない。
私にパートナーがいればここまで醜い気持ちを抱かずに済んだかもしれない。

子どもらのどちらかが家にいると眠気が酷くなる。
久々に戻ってきた長女が夕飯の買い物に連れて行かなかった
(そもそも何のために慌てて着替えているのかも不明だった)とキレた。
「家族として過ごせる時間が残り少ないのに」とはこっちのセリフだ。
国家試験の模試はボーダーラインに満たず
就活の準備をしているようでもなく
バイト先にいる奴が気に入らないからと今更”転職”しようとしている。
下手に口を出せば結果によっては私に責任を押し付けられるので
思うところがあっても絶対に何も言わない。

夢の中での家族とは母と次女という設定らしい。
つい先日あるグループを脱退したHが家を訪ねてきた。
雨に濡れてびしょびしょのままだ。
もっと田舎かと思ったら都会でがっかりしたと言われた。
母も次女も帰宅しない予定だったのに突然戻ってくる。
次女は無言だが母は男を引きずり込んだと激怒する。
私はもう母の口出しで誰かを失いたくないと必死にHにしがみつく。
Hは無表情なままじっとしている。
やましいことがないと母の罵詈にも動じない。

畳の上で寝落ちして半日くらい夢の続きを見ていた。
途中で布団を敷いたが腰が痛い。
こんなことをしている場合ではないのに。
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# by camel-40 | 2017-09-20 11:48 |

れんげ荘

定年まで今の職場にいられそうもないと分かって
次はどうするかについて考えることが増えた。

仕事をせず貯金を取り崩しながら暮らす、
ということしかわからずに読み始めたら
母親との確執がリアルで驚いた。
女の生き方が大きく変化する時代は長く
そこに巻き込まれずに済む方が難しいのかもしれない。
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# by camel-40 | 2017-09-19 01:10 | 読書

断捨離

敬老の日には一歩も外に出なかった。
そして母にもらったTシャツを2枚捨てた。
デザインも形も嫌いではないけれど
それを着ると母に支配される気持ちになるから。
こないだ行ったときにプレゼントとは言わずに
ベッドカバーをセットしてきただけで限界。

長女の金遣いは相変わらず荒く
八つ当たりに耐えるだけの「優しい」彼氏の家に入り浸りで
次女は今日から彼氏と泊りがけの旅行に行く。
どうせ止めても隠れてやるに決まっているのだから
非常時の位置確認だけにとどめることにした。
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# by camel-40 | 2017-09-19 00:54 | 家族/日常

眠れない夜は体を脱いで

今回の連作の軸は「手の写真を投稿するスレッド」だ。
前から順番に読んでいくと最後に全体が分かる仕掛けになっている。
人から羨まれる顔が嫌いな男子高校生、
女であることにうっすらと違和感を抱く独身の中年女性、
彼の「元カノ」に心がざらつく大学生と
「元カノ」が生前心を寄せていた女子学生、
押さえつけ続けた夢を実現させる支店長と女子行員、
なりたい自分を託したアバターの主の交流...
平和だけれどどうでもはよくないことが
灰汁のように丹念に掬い取られていて
大きな賞をとってほしいような
これが変わってしまうなら今のままでいてほしいような
複雑な気持ちになった。
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# by camel-40 | 2017-09-17 22:39 | 読書
この著者は自責で心が弱っている母親を刺激するタイトルをつけるのが上手い。
「母という病」は一度読んだのを忘れて二度借りてしまったし
この本もとりあえず借りてくることにした。

とりあえず愛着障害の定義と克服方法だけを読むことにした。
案の定ありきたりの処方しか載っていない。
この人は苦しむ母子をカルテに分類するだけで
治す気はないのだと感じた。
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# by camel-40 | 2017-09-17 22:31 | 読書

それでも母が大好きです

迷って今年の敬老の日は娘らを母のところに行かせないことにした。
黙っていても行くなら構わないが
何か良い知らせがあるとき以外は会えないという長女と
母に会った直後に次女が泣いたという話に
私が守るべき優先順位をはっきりと知る。

いわゆる毒母を扱った漫画エッセイ。
娘が無力であるよう暗示をかけて
自分を頼らざるを得ないように仕向ける母像は
ここまで極端でないにしろ心当たりはあった。
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# by camel-40 | 2017-09-17 22:25 | 買物

たいしたことはない

一週間ほどおりものの量と色が変で
脇腹に痛みもあったので婦人科を受診した。
今日はガン検診は無理だろうなと思ったら
洗浄と直接薬を入れる他に
血液検査で炎症の状態をチェックして
飲み薬まで処方された。
不安な脇腹は腸と癒着した部分が
便秘や炎症で痛むのだという説明に
とりあえずホッとした。
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# by camel-40 | 2017-09-08 22:39 | 健康

ついに半世紀を過ぎたバツ一こぶ二オンナのニッチ(niche)な生活


by camel-40